プロ野球LAB

Column

新しいグローブの『型付け』とお手入れ方法 ― オイルの塗り方・保管のコツを初心者・保護者向けに解説

2026年7月24日

子供に新しいグローブを買ってあげたものの、「箱から出したままの状態では硬くて開閉しづらい」「オイルはどのくらい塗ればいいのか」「雨で濡れてしまったらどうすればいいのか」と戸惑う保護者は多い。新品のグローブは革が硬く、ボールを収める「ポケット」の形もまだできていないため、購入後に自分の手・自分のプレースタイルに合わせて形を作る「型付け」という作業が必要になる。今回はプロ野球LABの「用具選びシリーズ」として、初心者・保護者向けに家庭でできる型付けの基本と、型付け後に長く気持ちよく使うための日々のお手入れ方法を、複数の野球用品専門サイトの解説を参照しながら整理する。特定のメーカーや商品を強く推す内容ではなく、あくまで一般的な手順・考え方の紹介であることをあらかじめお断りしておく。

そもそも「型付け」とは何のためにするのか

グローブの型付けとは、革にオイルを浸透させて柔らかくし、手で揉み込んだり道具を使ったりしてボールが収まりやすい「ポケット」の形を作る作業のことだ。新品のグローブは革が硬く、そのまま使うと開閉がしにくいだけでなく、ボールを弾きやすく、キャッチボール自体が苦痛になってしまうこともある。型付けをきちんと行うことで、握りやすさ・捕りやすさが向上し、結果として上達のスピードにも良い影響が期待できるとされる(出典:スポーツ館「【初心者向け】野球グローブの型付け方法と使いやすくするためのコツ」)。

型付けの方法にはいくつか種類があり、代表的なものとして(1)自宅でオイルと手・グラブハンマーを使って行う「手もみ型付け」、(2)野球用品店にあるスチーム機を使う「スチーム型付け」、(3)お湯を使う「湯もみ型付け」がある(出典:グルテン小松の野球メディア「グラブ型付けの種類を解説」)。このうち湯もみ型付けは、メーカーによっては専用に推奨している場合がある一方、革の種類によっては水分によるダメージが心配されることもあるため、自己判断で行うよりも購入店やメーカーに事前に確認することをおすすめしたい。特別な道具がなくても始められ、失敗のリスクが比較的低いという点で、初心者にはまず「手もみ型付け」から試すことが勧められている。

家庭でできる「手もみ型付け」の基本ステップ

以下は複数の野球用品専門サイトが紹介している手もみ型付けの一般的な流れをまとめたものだ。グローブの素材やメーカーによって推奨手順が異なる場合があるため、購入時に付属する説明書きがあれば、そちらを優先してほしい。

1. オイルを塗る
まずは型付け用のオイルを、捕球面(ポケット部分)だけでなく、グローブの背面や革ひもの部分にも指先で薄く塗り込む。新品のグローブは全体が硬いため、最初の数回はグローブ全体を柔らかくするイメージで、隅々まで行き渡らせるとよいとされる(出典:野球用品スワロースポーツ「グローブ(グラブ)のお手入れ方法」)。

2. ドライヤーの弱風で温める
オイルを塗ったグローブをビニール袋に入れ、ドライヤーの「弱(LOW)」で数分ほど温めて革にオイルを浸透させやすくする、という方法を紹介しているメーカーもある(出典:JUNKEI-GLOVE「グラブの簡単な仕上げ・型付けの方法」)。一方で、ドライヤーや電子レンジでの加熱は革を傷める恐れがあるため避けるべきだとする専門サイトもあり、この点は情報源によって見解が分かれる。試す場合は必ず弱めの温度で様子を見ながら行い、心配であれば加熱を伴わない手もみだけで進めるか、購入店に相談するのが無難だろう。

3. 手やグラブハンマーで揉み込む
温まったグローブを手で握ったり開いたりして揉み込み、革に柔軟性を持たせていく。グラブハンマー(グローブ専用の型付け道具)があれば、ポケット部分を叩いてくぼみをつける作業も行いやすい。この「オイルを塗る→温める→揉み込む」という一連の工程を数回繰り返すことで、少しずつ柔らかさが出てくるとされている。

4. ボールを挟んで固定する
ある程度柔らかくなったら、ポケットにボールを収め、グラブベルト(型付け専用の固定用ベルト)やひもで縛って一定時間そのまま置く。こうすることでポケットの形が定着しやすくなる。ただし、いきなり理想の形になるわけではなく、実際にキャッチボールや練習で繰り返し使いながら、徐々に自分の手になじんでいくのが一般的な流れだ。

なお、購入した店舗によっては型付けをサービスとして請け負ってくれる場合もある。自分で行う自信がない場合や、高価なグローブで失敗したくない場合は、購入店に型付けサービスの有無を確認してみるのも一つの方法だろう。

型付け後の日々のお手入れ ― 使うたびの基本ケア

型付けが済んだ後も、グローブは天然皮革(人工皮革の場合もある)でできた道具である以上、日々のお手入れを続けることで状態を保ちやすくなる。専門サイトで紹介されている基本的なケアの考え方は、大きく分けて「使用後の汚れ落とし」「オイルの補給」「濡れた時の対処」の3つに整理できる。

使用後は汚れを落とす
練習や試合で使った後は、乾いた布やブラシで、グローブに付いた土・砂・小石などの汚れを毎回軽く払い落とすことが基本とされる。指の間やひもの部分は汚れが溜まりやすいので、忘れずに確認したい(出典:タイヨウスポーツ「永久保存版!自分でできるグローブのお手入れ方法」)。この日常的な汚れ落としだけであれば、毎回でも負担は少ない。

オイルは「塗りすぎ注意」で補給する
オイルには液体・クリーム(ジェル)・固形などの種類がある。塗る際は付属のスポンジなどに少量を取り、捕球面を中心に薄く馴染ませるように塗るのが基本で、一度にたっぷり塗るのではなく、少しずつ様子を見ながら塗ることが勧められている(出典:スーパースポーツゼビオ「グローブ(グラブ)の手入れの仕方を解説!」)。塗った後にオイルが表面に残っている場合は、乾いた布で軽く拭き取っておくとベタつきが残りにくい。

塗る頻度については、「毎回」というよりも、練習の頻度や革の乾き具合を見ながら間隔を空けて補給していく、という考え方を紹介しているサイトが多い。頻度は革の状態やメーカーの推奨によって幅があるため、あくまで目安として捉え、革の表面がカサついてきたと感じたタイミングで塗る、くらいの感覚で問題ないだろう。オイルの塗りすぎは、かえって革を柔らかくしすぎて型崩れやコシの低下につながる可能性も指摘されているため、「少なめに、こまめに様子を見る」方が無難とされている。

雨や汗で濡れてしまった場合
グローブは革製品であるため水分に弱く、濡れたまま放置すると型崩れや、雑菌の繁殖によるニオイの原因になりうるとされる。濡れてしまった場合は、まず乾いた布やタオルで表面の水分・汚れを拭き取り、指の部分に丸めた新聞紙を詰め、手のひら部分にもタオルなどを詰めて型崩れを防ぎながら陰干しするという方法が紹介されている(出典:アルペングループマガジン「グローブは手入れ次第で長く使える! 正しい手入れや保管の方法」)。濡れた際は革の油分も一緒に失われやすいため、完全に乾ききる前の段階でオイルを補っておくとよいとするサイトもある。いずれの場合も、ドライヤーの高温や直射日光による急速乾燥は革を傷める可能性があるため避け、風通しの良い日陰でゆっくり乾かすのが基本だ。

保管方法 ― 型崩れとカビ・劣化を防ぐ

保管の基本は、(1)ポケットの形を保つこと、(2)湿気・直射日光・高温を避けることの2点に集約される。移動時や自宅保管時には、ポケット部分に型付け用のボールを収め、グラブベルトやひもで軽く縛っておくと、せっかく作った型が崩れにくいとされる。また、使用後や手入れの後は、風通しが良く直射日光の当たらない室内で陰干しし、湿気がこもらないようにしておくことが勧められている(出典:野球用品スワロースポーツ)。夏場の車内など高温になる場所への放置は、革の劣化や型崩れにつながる可能性があるため避けた方がよいだろう。

(型付けオイル・グラブハンマー・グラブベルトなどのお手入れ用品の一例はこちら:ここにアフィリエイトリンク)

まとめ ― 焦らず、様子を見ながら少しずつ

新しいグローブの型付けもお手入れも、一度で完璧に仕上げようとせず、「オイルを薄く塗る→少し温めて揉み込む→実際に使ってみる」というサイクルを繰り返しながら、少しずつ自分の手になじませていくのが基本的な考え方だ。馴染むまでの期間は革の厚みやメーカー、使用頻度によって大きく差があるため、目安となる期間を断定するのは難しいが、毎日触れて手入れを続けることが近道であるのは共通している。日々のケアも「汚れ落とし」「薄いオイル補給」「陰干し」の3点を意識するだけで十分に効果が期待できるとされており、難しい特別な技術が必要というわけではない。子供と一緒にグローブの手入れをする時間そのものも、野球を長く楽しむきっかけの一つになるはずだ。

この記事についてのお断り

本記事は野球用品専門メディア各社が公開している解説記事を参照し、初心者・保護者向けにグローブの型付け・お手入れの基本的な考え方を整理した一般解説記事であり、当サイト独自のNPBデータ分析・トラッキングデータに基づくものではない。紹介した手順やオイルの塗布頻度・保管方法は執筆時点(2026年7月)で複数の専門サイトが解説していた内容を基にした一般的な目安であり、グローブの素材・メーカー・製品によって推奨される方法が異なる場合がある。特に湯もみ型付けなど水分・熱を伴う方法は、革の種類によっては自己判断で行うとダメージにつながる可能性もあるため、購入店やメーカーの取扱説明書を優先し、不明な点は購入店に確認することをおすすめする。文中で紹介した商品の価格・仕様・在庫状況は変動するため、購入前に必ず最新の情報を確認してほしい。