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アイブラックはなぜ効く? デーゲームの眩しさ対策と少年野球・草野球での使い方【シールタイプ紹介】
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2026年8月10日 ・ 1回閲覧 ・ 執筆: 佐野健一(サノケン)
Point
夏のデーゲーム中継を見ていると、外野手やバッターの目の下に黒いシールや黒い塗料のようなものが付いているのに気づくことがある。あれは汚れでもファッションでもなく、「アイブラック」と呼ばれる、太陽光の眩しさ対策のための野球用品だ。
夏のデーゲーム中継を見ていると、外野手やバッターの目の下に黒いシールや黒い塗料のようなものが付いているのに気づくことがある。あれは汚れでもファッションでもなく、「アイブラック」と呼ばれる、太陽光の眩しさ対策のための野球用品だ。プロ野球LABの「用具選びシリーズ」では今回、このアイブラックがどういう仕組みで使われているのか、少年野球や草野球のレベルでも取り入れられるのかを整理する。
アイブラックとは何か ― 頬骨からの反射を抑える仕組み
アイブラックは、太陽光やスタジアム照明の眩しさ(グレア)を抑えるために、選手が目の下に付ける黒いシールやグリース(塗料)の総称だ。仕組みとして説明されているのは、顔の中でも出っ張っている頬骨のあたりに強い光が当たると、そこで光が乱反射し、その反射光が視界に入ることで眩しさやコントラスト感覚の低下を招く、というもの。アイブラックを頬骨のラインに沿って付けることで、光を反射させず吸収しやすくし、眩しさを軽減する狙いがあるとされている(出典:Wikipedia「アイブラック」、BASEBALL KING「野球選手の目の下にある“黒いアレ”の正体」)。
眩しさで空中のボールの輪郭がぼやけて見えづらくなると、フライの落下点の見極めや、投球へのタイミング合わせに影響が出かねない。アイブラックはこうした「眩しさによる見えづらさ」を軽減する目的の用具として、野球やアメリカンフットボールなど屋外競技を中心に広まってきた。
科学的にはどう検証されているか ― 「絶対に効く」と言い切れるものではない
アイブラックの効果については、一定の研究報告がある。2003年にイェール大学の研究者が行った実験では、黒いグリースタイプのアイブラックが、ワセリンや防眩ステッカーと比べて、太陽光下でのコントラスト感度(明暗の差を見分ける感度)の改善に効果があったと報告されている(出典:Yale News「Eye Black Grease More Effective at Reducing Glare and Improving Visual Contrast than Anti-Glare Stickers」)。一方で、この分野の研究はまだ数が少なく、効果の大きさや条件については議論の余地が残っているのも事実だ。
実際、NPBの選手の受け止め方もさまざまだ。福岡ソフトバンクホークスの中村晃選手は取材に対し、「屋外球場のデーゲームだったらサングラス掛けて眩しさ対策しますしね。アイブラックはただのおまじない」とコメントしている(出典:RKB毎日放送「ホークス選手の目の下の黒いアレ・・・視聴者の気になる!を選手に直接取材」)。眩しさ対策としてはサングラスの方が確実という見方もあれば、アイブラックを日常的に取り入れている選手も多い。「これを付ければ確実に見えるようになる」と断定できるものではなく、「まぶしさを軽減する効果があるとされている、選手の間で広く使われている用具」というのが実情に近い理解だろう。
シールタイプとペイントタイプ、この記事で紹介するのはシールタイプ
アイブラックには大きく分けて、頬に直接塗る「ペイントタイプ(グリースタイプ)」と、あらかじめ黒く成形されたものを貼るだけの「シールタイプ」がある。ペイントタイプは肌に密着しやすく汗でも剥がれにくいとされる一方、指に付いて広がったり、落とすときにクレンジングが必要だったりと手間がかかる。シールタイプは貼るだけなので手が汚れず、誰でも均一な形を作りやすいのが特徴だ。汗を大量にかく場面では粘着力によって剥がれやすさに差が出ることもあるため、練習の強度や気候に応じて選ぶとよいだろう。この記事で紹介する商品はシールタイプにあたる。
どんな場面で有効とされるか ― デーゲームの外野守備と打席
アイブラックが特に意識されやすいのは、屋外球場のデーゲームだ。外野手にとっては、太陽を背にした打球やフライを追いかける際に、太陽光そのものだけでなく頬骨からの照り返しも視界の邪魔になりうる。バッターにとっても、投手の背後や斜め上方向から差し込む日差しが、投球の出どころを見えづらくする場面がある。かつては外国人選手のイメージが強かったアイブラックだが、近年はドーム球場の照明が明るくなったことも背景に、日本人選手の間でも使う選手が増えているという(出典:BASEBALL KING「野球選手の目の下にある“黒いアレ”の正体」)。同記事では、読売ジャイアンツの丸佳浩選手や広島東洋カープの小園海斗選手、阪神タイガースの森下翔太選手など、複数のNPB選手がアイブラックを着用して出場することがあると紹介されている。
プロ野球LABの成績データ(2026年8月8日時点)を見ると、その森下翔太選手はセ・リーグの本塁打数でリーグ2位タイの25本と、まさに今シーズン結果を残している外野手の一人だ。もちろんアイブラックの着用と打撃成績を直接結びつける根拠はないが、「今、日差しの中で結果を出している外野手が実際に使っている道具」という視点で見ると、単なるファッションアイテムではなく実戦の道具としての一面が見えてくる。データサイトらしい切り口で言えば、真夏のデーゲームが続くこの時期は、外野守備や日中の打席内容にも改めて注目してみたい時期と言えるだろう。
なお、外野守備そのものの基礎(打球への入り方やフライの追い方)については、当サイトの「外野守備の基本 ― 打球への入り方・フライの追い方・カットプレーの考え方」でも解説しているので、あわせて読んでみてほしい。眩しさ対策は、フライの正しい追い方があってこそ生きてくるものだ。
少年野球・草野球でも使えるか
高校野球(高野連主催の大会)の用具規定にはアイブラックを明確に禁止する記載は見当たらないが、実際に着用している選手はほとんど見かけず、慣習として使われていないのが実情のようだ。大会に出場する場合は、事前に所属チームの指導者や大会要項を確認しておくのが安心だろう。一方、少年野球や大学・社会人の草野球など、そうした大会規定の対象外のカテゴリーであれば、着用を制限する明確なルールがないケースが多い。ただし所属リーグ・大会によって細かい取り決めが異なる可能性はあるため、心配な場合は事前に確認することをおすすめする。
価格帯としては、シールタイプは1パック数百円台から購入できる製品が多く、決して高価な用具ではない。デーゲームでの練習や試合が多いチームであれば、グラブやスパイクほどの出費をかけずに試せる眩しさ対策の一つと言えるだろう。
今回紹介する商品
今回紹介するのは、ローリングス(Rawlings)の「アイブラック 野球 シール 日差し・反射対策 12セット(24枚入り) EB-12」。シールタイプで、頬骨のラインに沿って貼るだけの手軽さが特徴だ。24枚入りのため、1シーズンを通してデーゲームのたびに使い切りで貼り替えても、当面はストックが持つ計算になる。価格は執筆時点(2026年8月)で770円〜(税込、送料無料)。価格や在庫状況は変動する可能性があるため、購入前に販売ページの最新情報を確認してほしい。
グラブやスパイクのように選手の技術に直結する用具ではないが、真夏のデーゲームで外野を守る選手や、太陽を背にした投手と対戦する打者にとっては、試しておいて損はない小さな備えの一つだ。まずは練習試合など気軽な場面で使い心地を確かめてみるところから始めてみてはどうだろうか。
この記事についてのお断り
本記事で紹介しているアイブラックの効果は、複数の研究報告や野球専門メディアの解説を基にした一般的な説明であり、「必ず眩しさを防げる」ことを保証するものではない。効果の感じ方には個人差があり、天候や光の当たり方によっても変わりうる。本文中で触れた森下翔太選手の本塁打数などの成績データは、プロ野球LABが公開している実際のNPB公式記録(2026年8月8日時点)に基づくものであり、選手個人がこの記事で紹介した商品を着用しているという事実を示すものではない。紹介している商品の価格・仕様・在庫状況は執筆時点で確認できた情報であり、変動する可能性があるため、購入の際は販売ページの最新情報を必ず確認してほしい。また、大会・所属リーグによって用具の使用ルールが異なる場合があるため、公式戦での着用を検討する際は事前に指導者や大会要項に確認することをおすすめする。

この記事を書いた人
佐野健一(サノケン) ・ プロ野球LAB 編集長・データアナリスト
