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野球のルール入門:交流戦の成績はCS進出争いにどう影響するか

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2026年7月27日

毎年6月前後になると、セ・リーグの球団がパ・リーグの球団と対戦する「交流戦」が組まれる。ここでよくある勘違いは、「交流戦は普段とは別枠の特別なイベントで、その勝敗は交流戦の順位を決めるだけのもの」という理解だ。実際にはそうではない。交流戦の1試合1試合は、れっきとしたレギュラーシーズンの公式戦であり、その勝敗はそのまま所属リーグの順位表・勝率に組み込まれる。つまり交流戦で勝てばそのままリーグの貯金が増え、負ければ借金が増える。今回は「交流戦だけの順位表」と「リーグ順位への反映」がどう違うのか、混同しやすいポイントを整理する。

交流戦の基本――セ・パの球団が公式戦として対戦する期間

交流戦は正式名称を「日本生命セ・パ交流戦」といい、2005年から開始された制度だ。導入当初は1球団あたり36試合(相手6球団とホーム・ビジター各3試合の総当たり)という規模だったが、2007年にクライマックスシリーズ(CS)が導入されたことに伴う日程調整で24試合に、2015年からは18試合(相手6球団とホームまたはビジターいずれかで3試合)に縮小され、現在までこの18試合という規模が続いている(Wikipedia「セ・パ交流戦」)。この期間、セ・リーグの球団はパ・リーグの球団と、パ・リーグの球団はセ・リーグの球団と対戦することになるが、これはあくまで年間143試合前後のレギュラーシーズンのうちの一部であり、交流戦だからといって特別な「別大会」の試合という扱いにはならない。

交流戦の勝敗は、そのままリーグ順位に組み込まれる

ここが最も誤解されやすい点だ。交流戦で挙げた勝敗・個人成績は、それぞれの球団が所属するリーグ(セ・リーグまたはパ・リーグ)の公式戦成績にそのまま反映され、年間の総合成績に含まれる。つまり交流戦期間中にセ・リーグの球団がパ・リーグの球団に勝てば、その1勝はそのままセ・リーグの順位表における当該球団の勝ち星として積み上がる。交流戦は「リーグ内の対戦とは別に、勝っても負けても順位に影響しない親善試合」ではなく、通常のリーグ内対戦と何ら変わらない重みを持つ公式戦なのだ。実際、交流戦の期間中に貯金を大きく増減させて、リーグ順位そのものが入れ替わる球団も珍しくない。

「交流戦順位表」は別物――混同しやすいポイント

一方で、交流戦の期間中には「交流戦順位表」というセ・パ12球団を横並びにしたランキングも別途発表され、交流戦優勝チームの表彰も行われる。この「交流戦順位表」は、あくまで交流戦期間中の対戦成績だけを抜き出して12球団を比較するための特別な順位表であり、セ・リーグ、パ・リーグそれぞれの通常のリーグ順位表とは別の集計だ。ここで混同しやすいのが、「交流戦順位表で自チームが何位だったか」と「交流戦の勝敗がリーグ順位表にどう反映されたか」が別の話だという点だ。交流戦順位表では例えば5位だったとしても、その期間に稼いだ勝ち星は、交流戦終了後もそのままセ・リーグまたはパ・リーグの通常の順位表(貯金・勝率)に残り続ける。「交流戦の順位」と「交流戦の結果がリーグ順位に与える影響」は別の集計の話であり、片方が良かったからといってもう片方が自動的に良くなるとは限らない、という点に注意したい。

もう一つの混同ポイント――同率順位決定における「交流戦を除く」規定

さらに紛らわしいのが、順位決定ルールに存在する「交流戦を除いたリーグ内対戦成績」という規定だ。パ・リーグでは、シーズン終了時に複数球団の勝率が並んだ場合、まず該当球団同士の直接対戦成績を見て、それでも決まらなければ「交流戦を除いたリーグ内の対戦成績」を次の基準として順位を決めるとされ、セ・リーグでも2022年からほぼ同様の基準が同率決定方式に加えられている(プロ野球ときどき雑多「プロ野球の順位は何で決まる?セ・リーグとパ・リーグの決め方の違いも解説」)。この規定の名前だけを見ると、「パ・リーグだけが交流戦の成績をそもそも順位から除外しているのでは」と誤解してしまいそうになるが、そうではない。これはあくまで「勝率が同率になった場合の、数ある決定基準のうちの一つ」として交流戦を除いた成績を参照する、という限定的なルールであり、通常の順位表の勝敗数・勝率そのものからは交流戦の結果は一切除かれていない。同率という特殊な場面でのみ登場する追加基準と、リーグ順位表そのものの土台となる勝敗数を、混同しないようにしたい。

CS進出争いに直結する理由

以上を踏まえると、交流戦がCS進出争いにとって決して「消化試合」ではないことが分かる。交流戦で連敗を重ねれば、その負け星はそのままリーグの貯金を減らし、CS出場権に直結する順位を押し下げる。逆に交流戦で勝ち越せば、その貯金はリーグ再開後もそのまま持ち越され、優勝争いやCS進出争いを有利に進める土台になる。交流戦の各カードを「普段とは違う相手との一時的なイベント」として消費するのではなく、「レギュラーシーズンの一部として、そのままCS進出争いの分母・分子に組み込まれる試合」として見ると、6月前後の交流戦の見え方が変わってくるはずだ。

中継や順位表を見るときのポイント

交流戦期間中に順位表を確認するときは、リーグ順位表の勝敗数・貯金がその都度更新されている点をまず確認し、それとは別に「交流戦順位表」という12球団横並びのランキングが並行して発表されていることを意識するとよい。両者は集計の対象が異なるだけで、どちらも交流戦の同じ試合結果から作られているが、「リーグ順位表の勝敗はそのまま積み上がる」「交流戦順位表は交流戦期間だけの特別な比較」という違いを押さえておけば、この時期特有のニュースの見え方がすっきり整理できるはずだ。

この記事についてのお断り

本稿は、当サイトが独自に算出している優勝確率やLABバリューといった試算値とは無関係の、NPBの一般的なルール解説である。交流戦の試合数の変遷(2005年開始時の36試合から現在の18試合への変化)や、交流戦の勝敗がリーグの公式戦成績にそのまま組み込まれる仕組み、パ・リーグの同率順位決定における「交流戦を除く」規定については、本文中にリンクを掲載した各記事を参照した一般的な内容であり、当サイトが独自に検証した一次資料ではない。制度の詳細は年度によって変更される可能性があるため、実際のシーズンにおける最新のルールはNPB公式サイトの発表を必ずご確認いただきたい。

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