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野球のルール入門:プロ野球にコールドゲームが無い理由
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2026年7月27日
高校野球では、大差がついた試合が9回を待たずに打ち切られる「コールドゲーム」を目にする。一方でプロ野球の中継を見ていて、点差によって試合が途中で終わったという場面に出くわしたことがある人はほとんどいないはずだ。結論から言えば、日本プロ野球では「点差によるコールドゲーム」は一切採用されておらず、どれほど一方的なスコアになろうと、9回まで(延長がある場合はそれ以上)試合が行われる。今回はこの違いがどこから来ているのかを整理する。
そもそもコールドゲームとは何か
コールドゲームとは、規定の回数に達する前に、一定以上の点差がついたことを理由に審判が試合終了を宣告する仕組みのことだ。日本の高校野球では、都道府県の地方大会において、5回終了時点で10点差以上、7回終了時点で7点差以上の場合にコールドゲームが適用される運用が広く知られている(J:COM高校野球観戦ナビ「高校野球とコールドゲーム」)。ただし、これは全国どこでも一律の規定というわけではなく、甲子園で行われる全国大会や、都道府県大会の決勝戦ではこの点差によるコールドゲームは適用されていない。甲子園のような大舞台では、大差がついていても最後までプレーする機会を選手に与えることが重要視されているためだとされる(前掲J:COM高校野球観戦ナビ記事)。
プロ野球には点差によるコールドゲームが無い
日本プロ野球では、この「点差による打ち切り」は採用されていない。どれほど大差の展開になっても、9回まで必ず試合が行われる仕組みになっている。プロ野球で試合が9回に達する前に終了するケースがあるとすれば、それは点差ではなく、雨天や日没など天候・施設面の事情によるものだ。この場合、5回を終えていれば(あるいは5回裏の攻撃中にホームチームが同点以上に追いついていれば)「正式試合」として成立し、その時点までの記録が公式記録として残る。逆に5回に達する前に打ち切られた場合は「ノーゲーム」となり、記録は無効になる(ENSPORTS fan「プロ野球の試合成立条件とは?」)。つまりプロ野球で試合が短縮されることはあっても、それは「大差だから」ではなく、あくまで天候や施設の事情によるものだという違いがある。
なぜプロ野球には点差による打ち切りが無いのか
理由として指摘されることが多いのは、大きく2つの観点だ。一つはルール上の位置づけで、点差によるコールドゲームはそもそも公認野球規則(NPBが採用している公式ルールブック)そのものに定められた普遍的な規定ではなく、大会ごとに運営団体が独自に採用する運用ルールだという点だ。高校野球はアマチュア野球連盟が主催する大会であり、限られた大会期間内で多くのチームの試合を消化する必要があることや、選手の負担を考慮して、大会側が独自に点差による打ち切りを採用している。プロ野球にはこうした大会運営上の制約が同じ形では存在しないため、点差による打ち切りを採用する必然性が薄い。
もう一つは興行上の観点だ。プロ野球はチケットを購入した観客に対して、9回まで(あるいはそれ以上)の試合を見せることを前提に興行を成立させている。仮に大差がついた時点で試合が打ち切られてしまうと、それ以降の展開を見るために来場・視聴していた観客との間で不公平感が生じかねない。プロ野球においては、大差の展開であっても最後まで戦い抜くこと自体が興行の一部であり、逆転劇や敗色濃厚な中での意地の攻防も含めて商品価値になっている、という側面がある。
中継を見るときのポイント
プロ野球の試合が9回に達する前に終わった場合、それは点差の問題ではなく、天候や日没、照明・設備のトラブルといった外的要因が原因だと考えてよい。何回まで消化されていたか(5回に達していたかどうか)を確認すれば、それが記録の残る「正式試合」だったのか、記録が無効になる「ノーゲーム」だったのかを判断する手がかりになる。
この記事についてのお断り
本稿は、当サイトが独自に算出している優勝確率やLABバリューといった試算値とは無関係の、NPBおよび高校野球の一般的なルールを解説する記事である。本文中で紹介した高校野球のコールドゲーム条件やプロ野球の試合成立条件は、J:COM高校野球観戦ナビ「高校野球とコールドゲーム」、ENSPORTS fan「プロ野球の試合成立条件とは?」を参照したものである。プロ野球に点差によるコールドゲームが無い理由についての「興行上の観点」の記述は、一般的に指摘される背景を整理した見解であり、NPBが公式に説明している唯一の理由であると断定するものではない。
