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日本ハムの2軍層、独占度がさらに加速 20人中8人・上位3傑は依然「捕手」で固まる

2026年8月12日 ・ 9回閲覧 ・ 執筆: 佐野健一(サノケン)

Point

当サイト独自の「2軍→1軍換算」打者ランキング(/prospects)で、北海道日本ハムファイターズの選手が上位20人中8人を占めた。前回(7月時点)の6人から2人増え、独占度はむしろ強まっている。

目次
  1. 01「2軍→1軍換算」とは何か(おさらい)
  2. 02上位20人のうち日本ハムが8人、ロッテが5人
  3. 03独占する上位3人が、そろって「捕手」というのは偶然ではなさそうだ
  4. 04淺間大基の109打数は「たまたま」では説明しにくい
  5. 051軍の順位とファーム層の厚さは、必ずしも直結しない
  6. 06この記事についてのお断り

当サイト独自の「2軍→1軍換算」打者ランキング(/prospects)で、北海道日本ハムファイターズの選手が上位20人中8人を占めた。前回(7月時点)の6人から2人増え、独占度はむしろ強まっている。しかも1位マルティネス(換算OPS 1.173)、2位進藤勇也(同1.025)、3位郡司裕也(同1.011)と、上位3傑を引き続き独占。しかもこの3人は全員が捕手(または捕手経験者)という共通点も変わっていない。2位に多い球団は千葉ロッテマリーンズの5人で、ファーム層の厚さという観点では日本ハムとロッテの「二強」がはっきりしてきた格好だ。

「2軍→1軍換算」とは何か(おさらい)

このランキングは、2軍の打撃成績(打数30以上が対象)を、同じシーズンの1軍と2軍それぞれのリーグ平均の差を使って「もし1軍にいたらこの程度のOPS(出塁率+長打率。打者の総合力を測る代表的な指標の一つ)になりそうか」という参考値に変換したものだ。球場補正や対戦相手の強さまでは考慮していない粗い推計であり、昇格後の成績を保証する数字ではない。あくまで「2軍の数字だけでは見えにくい、1軍との実力差の目安」として捉えてほしい。算出方法の詳細は算出方法のページで解説している。

上位20人のうち日本ハムが8人、ロッテが5人

まず全体像を確認しておきたい。8月11日時点の上位20人のうち、日本ハムの選手は以下の8人。

順位

選手

換算OPS

実OPS(2軍)

打数

1位

マルティネス

1.173

1.369

65

2位

進藤勇也

1.025

1.196

45

3位

郡司裕也

1.011

1.180

37

5位

淺間大基

0.945

1.103

109

7位

水谷瞬

0.913

1.066

50

13位

有薗直輝

0.867

1.012

122

17位

細川凌平

0.829

0.968

62

19位

カストロ

0.819

0.956

82

対するロッテは、池田来翔(6位、換算0.914)、石川慎吾(8位、同0.906)、田村龍弘(9位、同0.894)、山本大斗(14位、同0.851)、ポランコ(18位、同0.820)の5人。日本ハムほどの上位独占ではないものの、6〜9位に4人を固めており、こちらも層の厚さでは他球団を引き離している。この2球団だけで上位20人のうち13人、実に3分の2近くを占めている計算になる。

独占する上位3人が、そろって「捕手」というのは偶然ではなさそうだ

前回記事でも触れたが、上位を独占するマルティネス・進藤勇也・郡司裕也は、いずれも捕手(または捕手経験者)である。NPBでは1試合に先発マスクをかぶれる捕手は事実上1人に限られるため、これだけ好打の捕手候補が同時にファームへ並ぶのは、編成上はぜいたくな悩みと言える。特にマルティネスは換算OPS 1.173、実際の2軍OPSも1.369と、打数65でここまでの数字を残しているのは単なる「一発が出た」レベルではなく、出塁率・長打率の両輪がかみ合っている証拠だ。追い込まれてからも際どい球を見極めて四球を選べているようなバッターは、2軍のレベルでは投手側の制球ミスにも付け込みやすく、こうした数字が積み上がりやすい。ただし1軍の投手は変化球の精度・配球の読み合いのレベルが一段上がるため、この数字がそのまま1軍で再現されるとは限らない点は留意したい。

1軍では新庄剛志監督が郡司を捕手以外の一塁・三塁・外野といったポジションで起用する場面が今シーズン見られており、捕手陣の"渋滞"を解消しながら打力を生かそうとする采配とも受け取れる。3人が同時に正捕手を争えば共倒れになりかねないところを、コンバート(守備位置転向)を絡めて打力を活かす方向に舵を切っているようにも見える。

淺間大基の109打数は「たまたま」では説明しにくい

今回のランキングで特に目を引くのが、5位に入った淺間大基だ。換算OPS 0.945、実際の2軍OPSは1.103で、打数は109に達している。野球の打撃成績は打数が少ないうちは「ここ数試合の当たりが良かっただけ」というブレが大きく出やすいが、100打数を超えてくると、そのブレはかなり均されてくる。つまり淺間の高いOPSは、短期的なホットストリーク(好調の波)というより、シーズンを通して安定して高い水準を維持していると見るのが自然だ。淺間は外野・内野の複数ポジションをこなせる選手でもあり、1軍の外野・内野に故障者が出た際の「即戦力の保険」として、編成側にとっての価値は数字以上に大きいはずだ。

有薗直輝も122打数という大きなサンプルで換算OPS 0.867(13位)に入っており、こちらも一時的な数字ではないことがうかがえる。細川凌平(17位)、カストロ(19位)を含めれば、日本ハムの2軍打線は捕手・外野・内野と、特定のポジションに偏らない形で厚みを持っていることになる。

1軍の順位とファーム層の厚さは、必ずしも直結しない

日本ハムは8月11日時点でパ・リーグ3位(59勝47敗0分・勝率.557)と、優勝争いの一角に位置している。1軍が好調だからこそファームの選手にチャンスが回らず、結果的に2軍の好成績が「出場機会をつかめない選手たちの足踏み」に見えてしまう面もあるだろう。実際、換算OPSで上位に来る選手の中には、すでに1軍で一定の実績がある選手(マルティネス、進藤勇也、郡司裕也、淺間大基など)が多く、真の意味での「無名の伏兵」がここから抜け出してくるかは今後の展開次第だ。とはいえ、1軍のレギュラー争いが激しいチームほど、控えの打力が厚いことは終盤戦やポストシーズンでの代打・守備固めの選択肢の広さにつながる。ロッテとの「二強」対比は、単なる数字上の面白さにとどまらず、両球団がシーズン終盤にどう選手を使い分けてくるかを見る上でも注目材料になりそうだ。

この記事についてのお断り

本記事で紹介した「2軍→1軍換算」の数値は、当サイト独自の分析・試算によるものであり、NPB公式が発表している記録や順位ではない。算出は2軍打撃成績(打数30以上が対象)を、同一シーズンの1軍・2軍それぞれのリーグ平均の差を用いて1軍相当の水準に変換する方式を採用しており、球場補正・対戦投手のレベル・イニングや出塁シチュエーションといった要素までは考慮していない、あくまで参考値としての粗い推計である。したがって、ここで高い数字を残している選手が実際に1軍昇格後も同水準の成績を残すことを保証するものではない点をご理解いただきたい。算出方法の詳細はこちらのページで解説している。また、1軍の勝敗・勝率については本記事作成時点(2026年8月11日)の数字であり、その後の試合結果によって変動する。最新のランキングは/prospectsで随時更新している。

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佐野健一

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佐野健一(サノケン) ・ プロ野球LAB 編集長・データアナリスト

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