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横浜の夢、準決勝で終わる ― 智弁和歌山5年ぶり・健大高崎初の決勝へ、エース織田の涙
2026年8月21日 ・ 1回閲覧 ・ 執筆: 佐野健一(サノケン)
Point
終わった。横浜の、28年ぶりの夏。2026年8月20日、阪神甲子園球場。第108回全国高等学校野球選手権大会の準決勝2試合が行われ、第1試合は智辯和歌山が横浜を7-1で下して5年ぶりの決勝進出。第2試合は健大高崎が天理を1-0で下し、大会史上初めての決勝進出を決めた。
目次
終わった。横浜の、28年ぶりの夏。2026年8月20日、阪神甲子園球場。第108回全国高等学校野球選手権大会の準決勝2試合が行われ、第1試合は智辯和歌山が横浜を7-1で下して5年ぶりの決勝進出。第2試合は健大高崎が天理を1-0で下し、大会史上初めての決勝進出を決めた。8月22日午前10時、決勝は智辯和歌山対健大高崎。本稿は8月20日の準決勝終了時点の情報に基づく。
横浜1点リード、そこから3回だった
試合は動いた。横浜が初回、川上慧の適時打で先制。1-0。このまま横浜のペースかと思われた。だが、3回だ。智辯和歌山の反撃はここから始まる。4番・山田凛虎の適時二塁打でまず同点に追いつくと、続く5番・楠本龍生が織田の152キロ直球を捉えて右翼席へ勝ち越し3ラン。この回一挙4得点で試合はひっくり返った。7回にも6番・井戸本陽向の2点適時打などでさらに加点し、最終スコア7-1。智辯和歌山、2021年の優勝以来5年ぶりの決勝進出だ。先発・和気匠太は8回を1失点にまとめる好投で横浜打線に反撃を許さなかった。ベースボールチャンネル(Yahoo!ニュース)
横浜のエース織田、中2日の登板 ― それでも、忘れられない夏になった
ここで、この試合について少し立ち止まって書いておきたい。横浜のマウンドに立った織田翔希は、2日前の8月18日、花巻東戦で9回を投げ切って完封している。その2日後、中2日での準決勝登板だった。3回、4番・山田の適時二塁打で同点とされると、続く5番・楠本に3ランを被弾。2回1/3を投げて降板した。この日の直球は最速でも154キロ、大会を通じて投げ続けてきた156キロの伸びは、この試合では見られなかった。
試合後、織田は大粒の涙を浮かべながらマウンドを降りた。それでも取材には気丈に応じ、「疲れとかじゃなくて、多分自分の気持ちの問題だと思います」と振り返っている。連投による疲労を理由にせず、自らの投球と向き合おうとする姿勢がにじむ言葉だ。大会を通じて見せてきた剛速球と粘りの投球、そしてチームを18年ぶりの4強、さらには28年ぶりの決勝進出目前まで導いた力投は、今大会屈指のものだった。最後の1試合で崩れたことよりも、そこに至るまでの投球と、マウンドを降りる際の凜とした姿にこそ、目を向けたい。デイリースポーツ、スポニチアネックス(Yahoo!ニュース)
ポイント
織田は2日前の8月18日、花巻東戦を完封したばかりで、中2日での準決勝登板となった。本人は敗因を疲労ではなく「気持ちの問題」と説明しているが、過密日程での連投そのものは今大会の運営上の論点でもある。高校野球における連投・球数管理というテーマは、当サイトが以前取り上げた「高校野球『7回制』論争と、当サイトが考える『理想の大会像』」とも重なる論点であり、今回の一戦もその議論に新たな材料を加えるものになりそうだ。
健大高崎、天理との投手戦を制す ― 大会初の決勝進出
第2試合、健大高崎1-0天理。ここも、締まった投手戦だった。二刀流の先発・佐藤麻恩から左腕・北田莉玖、そしてエース・石垣聡志へとつなぐ継投で天理打線を1点に抑え込んだ。天理は9回2死満塁まで攻め立てたが、4番手で登板した石垣が三振で締めてゲームセット。健大高崎にとっては夏の甲子園、大会史上初めての決勝進出だ。この試合を含め、今大会を通じて複数の投手をつないで勝ち上がってきた継投策の厚みが、そのまま結果に表れた一戦だった。ベースボールチャンネル、Full-Count(Yahoo!ニュース)
決勝は智辯和歌山対健大高崎 ― タイプの違う2校がぶつかる
8月22日午前10時、決勝の組み合わせが決まった。智辯和歌山は2021年以来5年ぶり、通算では過去に優勝経験を持つ強豪。準決勝では4番・山田凛虎、5番・楠本龍生、6番・井戸本陽向と中軸がそろって結果を残し、打線の勢いは今大会屈指だ。一方の健大高崎は、大会史上初めての決勝進出。複数の投手をつなぐ継投策を軸に、ここまで2回戦1-0、3回戦4-1、準々決勝1-0(延長10回サヨナラ)、そして準決勝も1-0と、要所を接戦で勝ち切ってきた。
打の智辯和歌山、守りの健大高崎。タイプの異なる2校がどうぶつかるか。決勝は8月22日午前10時、甲子園球場で開始される。週刊ベースボールONLINE(dメニューニュース)
ここまでの4校、そして残った2校
準々決勝終了時点では、天理・智辯和歌山・横浜・健大高崎の4校がベスト4に名を連ねていた(詳しくは当サイトの「ベスト4出揃う ― 天理・智辯和歌山・横浜・健大高崎、2026年夏の甲子園はどう動くか」を参照)。あのとき、横浜は「28年ぶりの夏頂点」への最有力候補として大きく扱われていた。それが、準決勝のたった1イニングで決勝進出は絶たれた。甲子園に「絶対」がないことを、あらためて突きつけられる結果だった。天理もまた、9年ぶりの4強という健闘をここで終えている。
残ったのは、智辯和歌山と健大高崎。どちらが優勝しても、それぞれのチームにとって記念すべき夏になる。智辯和歌山なら5年ぶり、健大高崎なら大会史上初めての頂点だ。決勝の結果は、あらためてお伝えする。
この記事についてのお断り
本記事で示した試合結果・スコア・選手のコメントなどの数値・引用は、各報道機関の公開情報をもとにしている。試合展開の描写は臨場感を出す目的で書いているが、事実関係(スコア・選手名・プレーの内容)を誇張・脚色するものではない。決勝の対戦カード・開始時刻は8月20日時点で判明している情報であり、その後の日程変更などがあった場合は反映されていない可能性がある。本記事は敗退したチーム・選手を含め、大会に出場したすべての選手・関係者の健闘に敬意を払う立場で書いている。

この記事を書いた人
佐野健一(サノケン) ・ プロ野球LAB 編集長・データアナリスト
