Column
ホールド王だけが大混戦 ハーン44.1%・レイノルズ32.3%・田中瑛斗15.5%の三つ巴
2026年7月17日 ・ 1回閲覧
今シーズンのタイトルレースを見渡すと、ほぼすべての部門で「独走態勢」がはっきりしている。本塁打は栗原陵矢(ソフトバンク)が86.1%、打点は近藤健介(ソフトバンク)が85.8%、最多勝は髙橋遥人(阪神)が87.6%、最多奪三振に至っては才木浩人(阪神)が99.5%と、当サイトの独自シミュレーションが弾く獲得確率でほぼ決着がついている。セーブ王もマルティネス(巨人)が94.8%とほぼ手中に収めている状況だ。
ところが「最多ホールド」だけは事情が違う。7月16日時点の集計で、ハーン(広島)が44.1%、レイノルズ(DeNA)が32.3%、田中瑛斗(巨人)が15.5%と、上位3人に確率が分散する大接戦になっている。実際のホールド数もハーン26、レイノルズ26とぴたり同数で並び、田中瑛斗も25とわずか1差。他タイトルが軒並み80〜90%台の「当確ライン」に達している中、ホールドだけが際立って読めない争いになっている。
そもそも「ホールド」とは何を評価する記録か
ホールドは、勝敗もセーブも付かない中継ぎ投手が「試合の流れを変えずに降板した」ことに与えられる記録だ。リードが3点以内の場面で1イニング以上を無失点で投げきる、あるいは同点の場面で登板し失点せずに降板する、といった条件を満たすと記録される。セーブは1試合につき1人にしか付かないが、ホールドは条件を満たせば同じ試合で複数の投手に記録される点が大きな違いで、勝ち継投リレーの「つなぎ役」全員を評価するための記録といえる。NPBでは1996年にパ・リーグが先行導入し、2005年からセ・パ両リーグの公式記録となった。先発の完投数が減り、継投が当たり前になった現代野球で重要度を増しながらも、本塁打や勝利数のように一発でわかる記録ではないぶん、話題になりにくい部門でもある。
なぜホールドだけが混戦になるのか
本塁打や奪三振は基本的に「本人の能力と出場機会」だけで積み上がるのに対し、ホールドは味方の得点差、僅差のリードで登板できる場面の巡り合わせ、監督の継投采配という複数の変数に左右されやすい。ハーン・レイノルズ・田中瑛斗の3人はチームの勝ちパターンで七回・八回を任される「一番手セットアッパー」的な起用が続いており、登板数そのものは大きく変わらない。だからこそ、残り試合でどのチームが接戦を制していくかによって、獲得確率の順位が入れ替わってもおかしくない。他タイトルが早々に決着ムードなだけに、この三つ巴の行方は今シーズン最後まで目が離せないポイントになりそうだ。