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佐々木朗希、メジャー挑戦で問われるもの ― 完全試合の剛速球投手が歩んだ苦闘とポストシーズンでの再起

2026年7月29日 ・ 1回閲覧 ・ 執筆: 佐野健一(サノケン)

佐々木朗希のメジャー1年目(2025年)は、レギュラーシーズンでの苦戦とリリーフ転向という形で幕を開けたが、ポストシーズンでは9試合10.2回・2ホールド3セーブ・防御率0.84という数字を残し、ドジャースの連覇に貢献したと伝えられている。NPB時代に「令和の怪物」と呼ばれた剛速球投手が、メジャーではどのポジションで評価を確立していくのか。今もまだ、その答えが定まりきっていないところに、この選手の挑戦の面白さと難しさが両方詰まっている。

NPB時代 ― 数字が裏付ける「規格外」の実力

千葉ロッテマリーンズ時代の佐々木は、2022年4月10日のオリックス戦でプロ野球28年ぶりとなる完全試合を達成した。最速164キロを記録し、日本新記録となる13者連続奪三振、1試合19奪三振(当時のタイ記録)という内容だった。この一戦だけでも十分に伝説的だが、NPB通算で見ても4年間・64先発・29勝15敗・防御率2.10・505奪三振(奪三振率は9イニングあたり11.52)という数字を残しており、単発の好投ではなく継続的にハイレベルな投球を続けていたことが分かる。2024年には18登板で自身初の2桁勝利となる10勝5敗・防御率2.35・129奪三振を記録し、この成績を手土産にポスティングでメジャー挑戦を決めた(25歳未満での移籍だったため、契約はマイナー契約という形になったと報じられている)。

メジャー1年目 ― 苦戦、離脱、そしてリリーフでの再起

2025年のレギュラーシーズンは、故障もあって登板数が限られ、先発として安定した結果を残すには至らなかったと伝えられている。シーズン中盤にはリリーフ転向案が浮上し、実際にリリーフとしてメジャーに復帰する形となった。ここで数字が一変する。ポストシーズンでは事実上のクローザーとしてブルペンに入り、9試合10.2回を投げて2ホールド・3セーブ・防御率0.84という内容を残し、ワイルドカードシリーズやナ・リーグ地区シリーズでも無失点で試合を締めるなど、ドジャースの連覇に大きく貢献したと報じられている。先発で結果を残せなかった投手が、役割を変えたことで別の形の評価を得た――このコントラストが、佐々木の2025年を象徴する数字の動きだ。

2026年シーズン、報じられている状況

2026年は再び先発ローテーションの一角として起用され、7月中旬時点で18登板・4勝5敗・防御率4.7前後と、安定感を欠く投球が続いていると伝えられている。ブレイク・スネルの復帰も控えていることから、結果を残せなければ再びリリーフへ配置転換される可能性があるとも報じられていた。その後、6月5日の登板では自己最長の7回無失点・自己最多10奪三振を記録し、7月9日にはエンゼルス戦で7回2安打無失点・自己最多タイの10奪三振と好投するなど、上向きの兆しを見せる試合も出てきている。ただし、シーズンを通して先発で安定した数字を残せるかどうかは、この記事の執筆時点(2026年7月)ではまだ確定的なことは言えない状況だ。

評価されている点、課題とされている点

剛速球そのものへの評価は一貫して高い。164キロを記録した完全試合の記憶や、2025年ポストシーズンでのリリーフとしての内容は、球そのものの質の高さがメジャーでも通用することを示したと言える。一方で課題とされているのは、先発としての安定感・制球・登板間隔への適応、そして故障のリスク管理だ。「剛速球は間違いなく一級品だが、先発として一年間投げ抜く形をまだ確立できていない」というのが、現時点でのおおよその評価の実態に近いと見られる。

問われているのは「役割」の定まり方

佐々木朗希というプロジェクトの核心は、球の速さや奪三振能力の有無ではない。それはすでに証明されている。問われているのは、先発かリリーフか、あるいはその両方を行き来する形か、という「役割」がどう定まっていくかだ。2025年のポストシーズンで見せた数字は、この選手が持つ引き出しの多さを示す一方で、まだ「これが佐々木朗希の完成形」と言い切れる段階には至っていない。数字が積み上がっていくこれからのシーズンを、引き続き注視していきたい。

この記事についてのお断り

本記事で取り上げた成績・経歴は、公開されている報道・統計サイトの情報をもとに執筆したものであり、当サイト独自の優勝確率シミュレーションやLABバリューなどの試算とは無関係である。2026年シーズンの成績・起用状況は執筆時点(2026年7月)で報じられている情報に基づくものであり、その後の状況によって変化する可能性がある点に留意されたい。主な参照先はNumber Web、THE ANSWER、文春オンライン、ベースボールチャンネル、MLB.JP、NPB.jp、日本語版ウィキペディア「佐々木朗希の完全試合」の各記事・データページで、文章表現はいずれも当サイトのライターが独自にまとめたものである。

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佐野健一

この記事を書いた人

佐野健一(サノケン) ・ プロ野球LAB 編集長・データアナリスト

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