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阪神、ピタゴラス勝率.592に対し実勝率.558 個人成績は投打とも上位なのに独走できない理由

2026年7月22日

阪神タイガースは7月21日時点で48勝38敗1分・勝率.558(巨人と同率首位)と好位置につけているが、当サイト独自の試算である「ピタゴラス勝率」で見ると印象が変わる。得失点から算出する期待勝率は.592と、実際の勝率.558を3.4pt上回っているのだ。得点329・失点273という投打の中身は間違いなくリーグ屈指だが、その実力に見合うだけ勝ちを積み上げられていない、という数字が出ている。個人成績では打率上位に佐藤輝明・中野拓夢・森下翔太、防御率1位に髙橋遥人、奪三振1位に才木浩人と主要タイトル争いで名前が並ぶだけに、「選手は強いのにチームとしては伸び悩む」というねじれをピタゴラス勝率というレンズで確認していきたい。

ピタゴラス勝率とは何か(当サイトの算出方法)

ピタゴラス勝率は、シーズンの総得点と総失点の2乗比から「得失点の実力通りならこれくらい勝てるはず」という期待勝率を導く指標で、当サイトではセイバーメトリクスの祖であるビル・ジェームズ式(指数2)をそのまま採用している。計算式は「得点の2乗 ÷(得点の2乗+失点の2乗)」というシンプルなもので、個々の試合の勝敗の並び方や接戦の巧拙は式に一切登場しない。つまりピタゴラス勝率が高いのに実際の勝率がそれを下回っているチームは、「大差の試合では強いが、僅差の試合を落とす頻度が高い」可能性がある、という読み方が成り立つ。あくまで当サイトが試算している独自指標であり、NPB公式の発表数値ではない点は先に断っておきたい。

得失点はリーグ屈指、それでも数字が伸びきらない

阪神の87試合消化時点のデータは、得点329(セ・リーグ2位)、失点273(セ・リーグ1位=最少)で、得失点差は+56。投打がかみ合っている証拠であり、当サイトのチーム分析でも「投打がかみ合っており、リーグでも隙のない戦力」という評価になっている。それでもピタゴラス勝率.592に対し実際の勝率は.558と3.4pt低い。同じ日付時点の当サイト独自のパワーランキング「Eloレーティング」でも阪神は1509.4で、同率首位の巨人(1530.1)をわずかに下回る。Eloは得失点の差ではなく勝敗の結果そのものを積み上げて算出する指標のため、「得失点で見れば阪神の方が強いはずなのに、勝敗の結果だけを見ると巨人がやや上」という、ピタゴラス勝率の乖離と整合する見え方になっている。直近10試合は6勝4敗と大きく崩れているわけではないが、実力相応に勝ち切れていない状態が続いている、というのがデータの示すところだ。

個人成績は投打とも上位、タイトル争いの常連

チームとしての伸び悩みとは対照的に、個人成績は非常に充実している。打撃では佐藤輝明が打率.329でセ・リーグ首位、中野拓夢が.299で2位、森下翔太が.292で3位と、規定打席に到達した上位3人を阪神の選手が占める状態だ。投手陣も、髙橋遥人が防御率1.62でセ・リーグ1位、村上頌樹が2.03で3位、才木浩人は奪三振120でセ・リーグ1位に立っている。個人成績だけを見れば「投打ともリーグを代表する選手がそろったチーム」という評価になって当然で、選手個々のパフォーマンスの高さは疑いようがない。それでもチームの勝率がピタゴラス勝率に届いていないという事実は、個人の力をチームの白星に変換しきれていない部分がある、ということを意味している。

外部データも「接戦に弱い」傾向を裏付けている

この乖離を補強する材料として、東スポWEBが7月22日に報じた記事がある。同記事によれば、阪神の1点差ゲームでの成績は10勝15敗・勝率.400でセ・リーグ最下位、しかも最下位に沈む中日の11勝16敗・勝率.407をも下回るという。当サイトのピタゴラス勝率は得失点差のみから算出するため僅差の勝敗パターンそのものは反映していないが、外部で報じられている「1点差ゲームでの分の悪さ」という実態は、ピタゴラス勝率と実際の勝率の乖離という当サイトの試算結果とかなり整合的だ。救援陣の踏ん張りどころで一本を許す、僅差のまま終盤に競り負けるといった試合が積み重なれば、得失点差ほどには白星が伸びない、という構造は野球においてしばしば見られる傾向であり、阪神の現状もそれに近い可能性がある。

首位攻防における意味合い

同時点で首位を分け合う巨人は、ピタゴラス勝率.509に対し実際の勝率.558と、逆に+4.9ptの「実力以上に勝てている」状態にある。得失点差の実力で比べると阪神の方が優位にありながら、順位表の上ではゲーム差なしの同率首位という状況は、乖離という切り口があって初めて見えてくる構図だ。当サイトのシミュレーション(1万回試行のモンテカルロ法による試算)では阪神の優勝確率は48.9%、着地予想は50.7勝40.3敗としている。あくまで現時点までのデータに基づく当サイト独自の試算であり、今後の戦力変動や故障者の状況次第で数字は変わりうるが、「得失点の実力ではリーグトップクラス、あとは僅差の試合をどれだけ拾えるか」という現在地は、この先のペナントレースを占ううえで一つの手がかりになりそうだ。

この記事についてのお断り

本記事で示したピタゴラス勝率・Eloレーティング・優勝確率・タイトル獲得順位は、いずれもNPB公式の発表数値ではなく、当サイトが独自に試算しているものである。ピタゴラス勝率は得失点差のみから算出する期待値であり、実際の戦力や選手個々の調子、故障者の状況などをすべて反映しているわけではない。1点差ゲームの成績など外部メディアの報道を引用した箇所については、記事内に出典を明記した。数字が示す傾向はあくまで「そう読み取れる可能性がある」という範囲のものであり、選手・チームの実力や努力を否定するものではない。本記事は下書きであり、公開前にCEOの確認を頂く前提で作成している。