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楽天2021〜2025年ドラフト全47人を採点 ― 通算420点、宗山塁が一人で稼ぐ90点の重み

2026年8月16日 ・ 執筆: 佐野健一(サノケン)

Point

東北楽天ゴールデンイーグルスは現在、パ・リーグ6球団中6位。37勝59敗1分、勝率.385、首位ソフトバンクとは25ゲーム差という厳しい位置にいる(当サイトのデータベースで確認できる直近スナップショット、2026年8月8日時点)。

目次
  1. 015年間で47人、通算スコアは420点
  2. 022024年組が突出する理由 ― 宗山塁が一人で稼ぐ90点
  3. 03現役ドラフトで移籍した2人、新天地での動向
  4. 04最下位のシーズンだからこそ見える、育成の実り
  5. 052025年組はまだこれから ― スコアの低さは悲観材料ではない
  6. 06よくある質問
  7. 07この記事についてのお断り

東北楽天ゴールデンイーグルスは現在、パ・リーグ6球団中6位。37勝59敗1分、勝率.385、首位ソフトバンクとは25ゲーム差という厳しい位置にいる(当サイトのデータベースで確認できる直近スナップショット、2026年8月8日時点)。しかも当サイト独自に算出しているピタゴラス勝率(得失点から導く期待勝率)は.383で、実際の勝率.385とほぼ一致している。これは「本来の実力どおりの勝率」がそのまま順位表に出ている状態で、大きな不運に泣かされているわけではない、という当サイトの試算だ。だからこそ今のチームを語るなら、目先の勝敗よりも「何を積み上げているか」に目を向ける意味がある。今回は当サイトが新たに全12球団分公開した楽天ドラフト指名採点ページのデータをもとに、2021〜2025年の5年間・全47人の指名を振り返る。

5年間で47人、通算スコアは420点

楽天は2021〜2025年のドラフトで支配下34人・育成13人、合計47人を指名した。当サイトの採点基準(一軍出場+10点、規定打席・規定投球回到達シーズン1回につき+20点、タイトル・表彰歴1件につき+30点)で通算すると、420点。年度別に見ると、指名から時間が経った年ほど積み上がりが大きく、逆に2025年組はまだこれからという段階が数字にはっきり表れている。

年度

指名人数

一軍出場者

年度合計スコア

2021年

10人(支配下7・育成3)

7人

70点

2022年

10人(支配下6・育成4)

8人

80点

2023年

8人(支配下8)

7人

90点

2024年

7人(支配下6・育成1)

5人

130点

2025年

12人(支配下7・育成5)

5人

50点

まず押さえておきたいのは、47人中32人、率にして68.1%が一軍出場を経験しているという事実だ。ドラフトで指名された選手がプロの公式戦に1度でも出場できるかどうかは、実は狭き門とされる。指名順位を問わず7割近い選手が一軍のグラウンドに立てているという点は、下位指名・育成指名も含めた選手発掘の土台としては悪くない数字と言える。

2024年組が突出する理由 ― 宗山塁が一人で稼ぐ90点

年度別スコアで際立つのが2024年の130点だ。指名人数はわずか7人と最も少ないにもかかわらず、他の年度を上回っている。理由ははっきりしている。1位で指名した宗山塁(明治大学)、その人が90点を一人で稼いでいるからだ。

宗山塁はルーキーイヤーの2025年に開幕スタメンを獲得し、122試合に出場。新人選手としては26年ぶりとなるベストナインを遊撃手部門で受賞し、オールスターゲームにも選手間投票で選出された。当サイトの採点では「一軍出場+10点」「規定打席到達+20点」に加え、タイトル・表彰歴として「2025年ベストナイン」「2025年オールスターゲーム選出(選手間投票)」の2件で+60点が加わり、合計90点。これは今回対象にした47人の中で最高スコアであり、次点にどれだけ差があるかを見れば、その突出ぶりがよく分かる。

選手

指名(年・順位)

一軍出場

規定到達

タイトル・表彰歴

スコア

宗山塁

2024年1位

1回

2025年ベストナイン(遊撃手)、2025年オールスターゲーム選出(選手間投票)

90点

中島大輔

2023年6位

1回

30点

この5年間で「規定打席・規定投球回」に到達したのは、47人中この宗山塁と中島大輔(2023年6位、青山学院大学)の2人だけだ。中島大輔は2年目の2025年に443打席で自身初の規定打席到達を果たし、1番打者として定着。打率.262という数字も含め、こちらも順調な成長曲線を描いている一人だ。規定到達という「一軍に居続けた証」を残せた選手が2人にとどまっているという事実は、裏を返せば、まだ多くの指名選手が「一軍に出た経験はあるが、定着はこれから」の段階にいることも示している。

ポイント
当サイトの採点は指名順位による重み付けをしていない。1位指名の宗山塁が結果を出しているのは順当だが、下位指名や育成指名でどれだけ「掘り出し物」を見つけられているかは、指名順位とスコアを見比べて判断する設計になっている。詳しい選手別の内訳は楽天ドラフト指名採点ページで確認できる。

現役ドラフトで移籍した2人、新天地での動向

楽天が指名した選手の中には、2022年に始まった現役ドラフトで他球団に移籍した例もある。いずれも楽天では出場機会が限られていたが、移籍後にチャンスを広げつつある。

選手

楽天での指名

移籍

移籍後の状況

伊藤茉央

2022年4位(投手)

2024年12月の現役ドラフトで中日へ

楽天在籍時の通算31登板を経て移籍。移籍後を含めた通算成績は61登板、3勝1敗、防御率2.96

辰見鴻之介

2022年育成1位(内野手)

2025年12月の現役ドラフトで広島へ

楽天での一軍出場は2試合にとどまっていたが、移籍後の2026年は二軍で31盗塁を記録する快足を評価され46試合に出場

2人とも、楽天に在籍していた間は決して大きな実績を残せていたわけではない。だが、辰見鴻之介の「31盗塁」という数字が示すように、環境が変われば評価される持ち味が見つかることもある。現役ドラフトという制度の性質上、こうした移籍は「楽天での評価が低かった」というより、「その球団の編成事情の中で出場機会を得にくかった」選手に新天地を用意する仕組みだと捉えるべきだろう。

最下位のシーズンだからこそ見える、育成の実り

順位表だけを見ればつらいシーズンが続く楽天だが、ドラフトで獲得した選手たちの中には、2026年シーズンに入ってから存在感を増している例も複数ある。

  • 西垣雅矢(2021年6位、早稲田大学):2025年にリーグ2位となる63試合に登板し、防御率1.96、チーム最多タイの7勝をマーク。通算136登板まで積み上げた。
  • 平良竜哉(2022年5位、NTT西日本):育成扱いを経て支配下に復帰し、2026年はチーム最多本塁打を記録するなど4年目でブレイク。
  • 荘司康誠(2022年1位、立教大学):右肘の手術を経て復帰し、2026年は開幕投手を務めるまでに回復した。
  • 古謝樹(2023年1位、桐蔭横浜大学):2年目からローテーション入りし、自己最多7勝をマークするなど先発陣の一角に定着しつつある。

いずれも、指名からブレイクまでに数年単位の時間がかかっている点が共通している。順位が苦しい年ほど「今、何が育っているか」に意味が生まれる、というのはデータだけでは測りきれない部分だが、こうした選手たちの積み上げが、通算420点という数字の中に確かに刻まれている。

2025年組はまだこれから ― スコアの低さは悲観材料ではない

年度別スコアで最も低いのが2025年の50点だが、これは実力不足を示す数字というより、単純に「時間が足りていない」ことの表れだ。12人中5人が一軍デビューを果たしており、デビュー率自体は他の年度と比べて極端に低いわけではない。

  • 藤原聡大(1位、花園大学):契約金1億円で入団した即戦力左腕。2026年3月にプロ初先発を果たし、ルーキーイヤーから一軍で12登板を経験した。防御率5.40とプロの厳しさも味わっているが、1年目から一軍のマウンドを踏み続けている経験そのものが今後の糧になる。
  • 繁永晟(3位、中央大学):二軍で4-5月の月間MVPを獲得後に一軍昇格し、7月に初安打・初打点を記録。
  • 九谷瑠(6位、王子):新人で唯一の開幕一軍入りを果たし、7月に一軍初勝利を挙げた。

規定到達やタイトルは、そもそも一軍に定着した後でなければ手が届かない領域だ。2024年組の宗山塁がそうであったように、指名から1〜2年でスコアが跳ね上がる例もある。2025年組の伸びしろは、来年以降のこのページでの数字の変化を見ていくのが一番分かりやすいだろう。

よくある質問

Q. 楽天の「通算420点」というスコアは、他球団と比べて高いのか低いのか

A. 本記事では楽天単体の内訳を扱っており、他球団との比較は行っていない。当サイトの採点は指名順位による重み付けをしていないシンプルな設計であり、球団間の比較を行う場合は指名人数(楽天は47人)や支配下・育成の内訳も踏まえて見る必要がある。他球団の状況はチームページ内の各球団のドラフト採点ページで確認できる。

Q. 現役ドラフトで移籍した選手は、なぜ楽天で活躍できなかったのか

A. 移籍そのものは「楽天での評価が低かった」ことを直接意味するものではない。現役ドラフトは各球団が「出場機会に恵まれていない支配下選手」をリストアップし、他球団が指名する制度であり、編成事情や層の厚さによって出場機会が左右される側面が大きい。辰見鴻之介のように、移籍先で持ち味(俊足)が評価されて出場機会を広げた例もある。

Q. このスコアは今後も変動するのか

A. 変動する。一軍出場・規定到達・タイトル獲得はいずれもシーズンが進むごとに更新されていく実績であり、当サイトの楽天ドラフト指名採点ページのスコアも選手の活躍に応じて随時変わっていく。2026年8月時点ではまだ一軍出場歴のない選手であっても、今後の出場機会次第でスコアは伸びていく。

この記事についてのお断り

本記事で扱った楽天の2021〜2025年ドラフト指名選手のデータ(指名順位・出場実績・規定到達シーズン数・タイトル獲得歴等)は、当サイトが独自にリサーチして構築したデータベース(楽天ドラフト指名採点ページ)に基づくスナップショットであり、2026年8月16日時点の情報である。年度別・通算スコアの算出基準(一軍出場+10点、規定到達シーズン1回+20点、タイトル・表彰歴1件+30点、指名順位による重み付けなし)は、いずれもNPB公式の評価ではなく当サイト独自の試算であり、選手の実力そのものを序列づける公式な指標ではない。順位表・勝敗・ピタゴラス勝率についても、当サイトが試合結果をもとに独自に算出している試算値であり、2026年8月8日時点のデータに基づく。取り上げた選手の通算成績は今後の出場によって変動するものであり、現時点での一軍出場歴の有無や規定到達の有無は、選手個人の実力や将来性を評価し尽くすものではない。本記事は楽天イーグルスおよび指名選手を序列づけたり揶揄したりする趣旨のものではなく、育成途上の選手への期待も含め、チームの取り組みに敬意を払うことを目的としている。

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佐野健一

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佐野健一(サノケン) ・ プロ野球LAB 編集長・データアナリスト

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