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セ首位は「完全な同率」から阪神が抜け出し、パ2位は西武が浮上もEloは日本ハム優位のまま ― 3日間で数字はどう動いたか

2026年8月12日 ・ 執筆: 佐野健一(サノケン)

Point

8月8日時点で「完全な同率」だったセ・リーグ首位争いは、3日後の8月11日時点で当サイト独自の優勝確率が阪神64.2%・巨人35.8%まで開いた。Eloレーティングも巨人優位から阪神優位へと逆転している。

8月8日時点で「完全な同率」だったセ・リーグ首位争いは、3日後の8月11日時点で当サイト独自の優勝確率が阪神64.2%・巨人35.8%まで開いた。Eloレーティングも巨人優位から阪神優位へと逆転している。一方でパ・リーグ2位争いは順位表上で西武が日本ハムを逆転したにもかかわらず、Eloレーティングでは依然として日本ハムが西武を上回ったままという、順位と地力評価がねじれた状態が続いている。3日前に「ソフトバンクに優勝マジック37点灯」の記事「ソフトバンク独走の陰で最も熱いのはここだ」の記事で伝えた2つの接戦が、それぞれ違う方向に動き出している。

セ・リーグ首位 ― 「同率」から「地力でも阪神優位」へ

まず断っておきたいのは、以下で扱う優勝確率・Eloレーティング・ピタゴラス勝率はいずれもNPB公式の発表数値ではなく、当サイトが独自の方法で試算しているものだという点だ。

8月8日時点の記事では、阪神タイガースが54勝44敗1分・勝率.551、読売ジャイアンツが54勝44敗2分・勝率.551と、勝率が完全に並ぶ同率首位だったと伝えた。当サイトの優勝確率も阪神49.7%・巨人50.3%とほぼコイントスの五分で、Eloレーティングに至っては阪神1503に対し巨人1514と、むしろ巨人の方がわずかに上という評価だった。

それから3日、8月11日時点の順位表は阪神56勝44敗1分・勝率.560、巨人55勝45敗2分・勝率.550。実際の勝率で1厘だけ阪神が上回る接戦は続いているが、当サイトのシミュレーションが弾き出す優勝確率は阪神64.2%・巨人35.8%まで開いた。3日前の49.7%対50.3%というほぼ完全な五分から、優勝確率でおよそ30ポイント近い差がついたことになる。Eloレーティングも阪神1523・巨人1510と、8月8日時点とは順位が入れ替わり阪神が上回った。「巨人の方が地力評価は上」という3日前の状態から、「勝率も地力評価も阪神が上」という状態へと、短期間で立場が入れ替わった格好だ。

その裏付けとなるのがピタゴラス勝率(得点・失点の2乗比から算出する期待勝率)だ。阪神は.584で、実際の勝率.560を2.4ポイント上回っている。得失点差から見た「本来これくらい勝てているはず」という実力の方が、現在の勝率よりもさらに高いということで、まだ地力を出し切れていない伸びしろを残している状態と言える。逆に巨人はピタゴラス勝率.525に対し実際の勝率が.550と、2.5ポイント上回っている。得失点差の実力以上に、接戦をものにするなどして勝率を積み上げている状態だ。3日前の記事では両チームとも似たような乖離を抱えていたが、今回は阪神の方が得失点差の実力・実際の勝率の両面で巨人を上回っており、「五分」だった構図がはっきり崩れつつある。ただし直近10試合を見ると、阪神6勝4敗、巨人5勝5敗とまだ大差はついておらず、僅差の首位攻防そのものが終わったわけではない。

パ・リーグ2位争い ― 順位は逆転、地力評価は変わらず

パ・リーグの2位争いは、より興味深いねじれを見せている。3日前の記事では、日本ハムが58勝46敗・勝率.558、西武が56勝44敗3分・勝率.560とほぼ同じゲーム差で並び、Eloレーティングは日本ハム1566・西武1533で日本ハムが33ポイント上回っていた。

8月11日時点の順位表では、西武が57勝45敗3分・勝率.559で2位、日本ハムが59勝47敗・勝率.557で3位と、順位表上の並びが入れ替わっている。ところがEloレーティングを見ると、日本ハム1561・西武1538と、日本ハムが依然として23ポイント上回ったままだ。3日前の33ポイント差からやや縮まってはいるものの、「地力評価は日本ハムが上」という評価そのものは変わっていない。順位表の順位は逆転したのに、当サイトが算出する実力評価はほとんど動いていない――この乖離こそ、3日前よりもむしろ際立った形で残っている。

ピタゴラス勝率で見ても、同じ傾向がはっきり出る。日本ハムはピタゴラス勝率.563に対し実際の勝率.557とほぼ同水準で、得失点差の実力通りに勝ち星を積み上げているチームだ。一方の西武はピタゴラス勝率.535に対し実際の勝率が.559と、2.4ポイント上回っている。得失点差だけで見れば日本ハムより一段低い評価になるところを、接戦を拾い集めて実際の順位表上の勝率、そして今の2位という順位そのものを押し上げている状態と言える。

この構図を裏付けるように、直近10試合の成績も対照的だ。日本ハムが5勝5敗の五分であるのに対し、西武は4勝6敗と負け越している。目下の勢いだけを見れば日本ハムの方が良いにもかかわらず、順位表上は西武が2位に浮上している。これは西武の実力が伴っていないという話では決してなく、僅差の展開を勝ちきる勝負強さが、ここ3日間もなお発揮され続けているという読み方ができる数字だ。ただし一般に、得失点差の裏付けを伴わない「接戦での勝ち越し分」はシーズンを通じて再現し続けるのが難しいとされる傾向もあり、この2位の座がどちらに落ち着くかは、なお予断を許さない。

まとめ ― 動いたセ、ねじれが深まったパ

3日前に「完全な同率」だったセ・リーグ首位争いは、優勝確率・Elo・ピタゴラス勝率のいずれの独自指標も阪神優位の方向にそろい、当サイトの試算では優勝確率64.2%対35.8%までの開きが生まれた。一方でパ・リーグ2位争いは、順位表上は西武が日本ハムを逆転したにもかかわらず、Eloレーティングという地力評価は依然として日本ハムが上回ったままという、順位と実力評価がねじれた状態が続いている。順位表の数字だけを追っていると見えてこないこうした乖離こそ、残りシーズンを追いかける上での見どころだと考えている。両リーグの首位・上位争いは、この後の直接対決の結果次第でさらに動く可能性が高い。各球団の最新の優勝確率・タイトル争いの試算は、当サイトのチームページタイトル争いページで随時更新している。

この記事についてのお断り

本記事で示した優勝確率・Eloレーティング・ピタゴラス勝率は、いずれもNPB公式の発表数値ではなく、当サイトが独自に試算しているものである。優勝確率は残り試合数をもとにした1万回試行のモンテカルロシミュレーションによる試算値、Eloレーティングは対戦相手の強さを加味して当サイトが算出しているパワーランキング、ピタゴラス勝率は得点・失点の2乗比から算出する期待勝率であり、故障者の状況や今後のトレード・補強など、シミュレーションに反映しきれていない要素も存在する。順位・勝敗・ゲーム差・直近10試合の成績は2026年8月11日時点の記録に基づく。本記事は阪神・巨人・日本ハム・西武いずれの球団や選手を序列づけたり揶揄したりする趣旨のものではなく、各チームの健闘に敬意を払いつつ、8月11日時点でのデータのスナップショットと3日前からの変化を伝えることを目的としている。

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佐野健一(サノケン) ・ プロ野球LAB 編集長・データアナリスト

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