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12球団「運のいい球団・悪い球団」ランキング ― ヤクルト+8.3ptが最大の貯金、DeNAは-7.4ptで最大の持ち出し【7月25日試合終了時点】
2026年7月25日
得失点から算出する期待勝率「ピタゴラス勝率」と実際の勝率の差(当サイト独自の試算)を12球団すべてで比べると、東京ヤクルトスワローズが+8.3ptで最も「勝率が実力を上回っている」球団、横浜DeNAベイスターズが-7.4ptで最も「実力より勝率が下回っている」球団という結果になった。得失点の中身がどれだけ良くても、それがそのまま白星に変換されるとは限らない。7月25日試合終了時点のデータから、12球団それぞれの「巡り合わせ」を並べてみたい。
ピタゴラス勝率とは何か(当サイトの算出方法)
ピタゴラス勝率は、シーズンの総得点と総失点の2乗比から「得失点の実力通りならこれくらい勝てるはず」という期待勝率を導く指標で、当サイトではビル・ジェームズ式(指数2)を採用している。個々の試合の勝敗の並び方や、僅差の試合の巧拙は式に一切登場しない。したがって、ピタゴラス勝率と実際の勝率に差があるチームは、「大差の試合の強さと、僅差の試合の勝ち切り方に差がある」可能性がある、という読み方が成り立つ。あくまで当サイトが独自に試算している指標であり、NPB公式の発表数値ではない。
12球団ランキング(実勝率-ピタゴラス勝率の差が小さい順)
横浜DeNA -7.4pt(ピタゴラス.517 実勝率.443)
中日 -7.0pt(.472 → .402)
ソフトバンク -3.5pt(.661 → .626)
阪神 -3.0pt(.581 → .551)
広島 -1.0pt(.415 → .405)
日本ハム -0.2pt(.560 → .558)
楽天 +0.6pt(.398 → .404)
西武 +1.9pt(.557 → .576)
ロッテ +1.9pt(.446 → .465)
巨人 +5.2pt(.510 → .562)
オリックス +7.0pt(.435 → .505)
ヤクルト +8.3pt(.406 → .489)
中日・阪神についてはすでに当サイトの個別記事(中日のピタゴラス勝率ギャップ、阪神のピタゴラス勝率ギャップ)で詳しく取り上げているため、今回はDeNAを中心に、これまで扱ってこなかった球団の中身を見ていきたい。
最大の持ち出し ― 横浜DeNAは「打線はリーグ屈指、投手陣が足を引っ張る」
DeNAは7月25日時点で39勝49敗3分、セ・リーグ4位。得点360はセ・リーグ攻撃力ランキングで1位、一方の失点348は同6位(最下位)というのが当サイトの分析だ。得点力はリーグトップクラスなのに、それを勝ち星に変えきれていない。ピタゴラス勝率.517(91試合換算でおよそ47勝相当)に対し、実際の勝率は.443(39勝)。単純に差し引くと、得失点の実力通りに転んでいれば8勝前後積み増せていた計算になる。直近10試合は6勝4敗0分とむしろ持ち直しつつあり、Eloレーティング(対戦相手の強さを加味した当サイト独自のパワーランキング)も1463.1と、実勝率が示す順位よりは高い評価になっている。打線の看板は間違いなく本物で、あとは僅差の試合、とりわけ投手陣の踏ん張りどころをどれだけ拾えるかが、順位表の数字を押し上げる鍵になりそうだ。
最大の貯金 ― ヤクルトは「実力以上」でも、まだ勝率5割未満
対照的にヤクルトは、得失点だけを見れば投打ともに苦戦が続いており(当サイトの分析)、ピタゴラス勝率は.406とセ・リーグでも低い部類に入る。それでも実際の勝率は.489で、+8.3ptもの上乗せがある。直近10試合は3勝7敗0分と決して好調ではないが、それでもシーズンを通じては接戦をものにする勝負強さがこの上乗せを生んでいるとみられる。ただし裏を返せば、これだけの「上振れ」を受けてもなお勝率5割に届いていないという事実は、得失点の土台そのものに伸びしろが残っていることを示してもいる。
もう一つの上振れ組 ― オリックスも実力以上の勝ち方
パ・リーグ4位のオリックス・バファローズも+7.0ptと、ヤクルトに次ぐ上振れ幅を記録している。ピタゴラス勝率.435に対し実勝率.505。当サイトの分析では「打線は平均的だが、投手陣に課題を抱えている」チームとされており、失点の多さ(リーグ6位)を勝負強さでカバーしている構図がうかがえる。
ほぼ実力通り ― 日本ハム・広島・楽天
日本ハムは-0.2pt(.560→.558)、広島は-1.0pt(.415→.405)、楽天は+0.6pt(.398→.404)と、いずれも1pt前後の差にとどまっており、得失点の実力とほぼ見合った勝率に落ち着いている。日本ハムは「打線は好調だが投手陣は平均的」、楽天は「投打ともに苦戦が続いている」というのが当サイトの分析で、順位表の数字(日本ハム3位、楽天最下位)はいずれも実力相応と言えそうだ。
小幅な貯金組 ― 西武・ロッテ、巨人はやや大きめの上振れ
西武は+1.9pt(.557→.576)、ロッテも+1.9pt(.446→.465)とそろって小幅な上振れ。西武は「投手陣は安定しているが打線は平均的」、ロッテは「打線が振るわず得点力に苦しんでいる」という当サイトの分析があり、いずれも接戦をしのぐ形で勝率を積み上げている様子がうかがえる。巨人は+5.2pt(.510→.562)とやや大きめの上振れで、直近10試合8勝2敗0分という勢いも重なり、セ・リーグ首位に立っている。
ソフトバンクは「独走」でも、実は実勝率がピタゴラスに届いていない
意外に思われるかもしれないが、独走するソフトバンクも-3.5pt(.661→.626)と、実勝率がピタゴラス勝率をやや下回っている。得点437・失点313というリーグ屈指の得失点差を考えると、本来はもっと勝率を高めていてもおかしくない水準だが、それでも57勝という数字は他球団を圧倒しており、乖離を云々する段階にはない独走ぶりだ。
「運」という言葉について
ピタゴラス勝率との乖離は、しばしば「運」という言葉で語られる。ただし実際には、僅差の試合を勝ち切るブルペンの踏ん張り、代打・継投采配の巧拙、故障者の出るタイミングなど、単純な偶然だけでは説明しきれない要素も多く絡んでいる。DeNAの-7.4ptも、ヤクルトの+8.3ptも、シーズン終盤にかけて縮小する傾向があることが知られてはいるが、必ずそうなると断定できるものではない。あくまで「得失点という土台」と「実際の白星」のズレを映す一つのレンズとして受け止めてほしい。
この記事についてのお断り
本記事で示したピタゴラス勝率・Eloレーティング・攻撃力/投手力ランキングは、いずれもNPB公式の発表数値ではなく、当サイトが独自に試算しているものである。ピタゴラス勝率は得失点差のみから算出する期待値であり、実際の戦力や選手個々の調子、故障者の状況などをすべて反映しているわけではない。本記事は各球団の実力を序列づけたり、選手・スタッフの努力を否定したりする趣旨のものではなく、得失点と勝敗結果の関係性というデータの一断面を伝えることを目的としている。